■　ドクターラブ

　昨秋、市内に某ハウスメーカー主導によるクリニックモールが開発された。
医院３棟及び調剤薬局１棟の構成になる。　 　

　地権者が建築主となり、開業医さんらに貸付ける、建物賃貸借方式だ。
私共はその契約に関する業務、賃料及び共用部等の管理をさせていただく。 　

　その１棟目、最初に契約された開業医の先生と建物引渡し業務で再会した。
医学博士でもある先生と食事を共にさせていただき、色々お話を伺ってみた。

　幼少の頃より、祖父が大好きで、お爺ちゃん子だったと言う。
その祖父がリウマチで苦しまれ、長年通院されていた。 　

　将来はリウマチを治せるお医者さんになって、祖父を良くしてあげたいという
志を立てて、それを見事に実現された３５歳の若き、ドクターだ。
リウマチの他、小児科も併設されるファミリー向けのクリニックになる。 　
　
　その、ドクターご自身の身体は華奢な感じで、中性的な魅力に溢れている。
男でも惚れ惚れしそうな、非常に甘いマスクの持ち主だ。 　

　物腰がとても柔らかく、今までに見たこともないタイプのドクターだから
太鼓持ちになれないが、人気が出ること、評判が上がることに太鼓判を押せる。 　

　ご自身にも２人の男の子がいらして、将来どちらかの子どもさんと一緒に
診療にあたりたいと仰るのを聞いて、ドクターの成功を確信した。

『 ４０年は仕事が出来ますから 』と、言われたので舌を巻いてしまった。 　

　このようなドクターと長いお付き合いが出来るのは、仕事冥利に尽きる。
我々は微力だが、陰ながら可能な限りサポートさせていただく気持ちになった。

　ドクターと別れてから、北米のロックバンド、ＫＩＳＳというグループで
『　コーリング　ドクターラブ　』　というヒット曲があった事を思い出した。
調べたら４０年も昔の楽曲だが、今夜久しぶりにそれを聴いてみたくなった。

４０年と４０年で、不思議な感じを覚えたが、たぶん単なる偶然なのだろう。 　

　しかし、それよりもたまには早く家に帰ってみて、不肖の息子の顔を
見つめてみるべきかどうか、不思議と迷った夜になってしまった。